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『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』感想考察【ネタバレあり】

ドドドはまりしているTRUMPシリーズ。NU版TRUMPのTRUTH→REVERSE→D2版TRUMP→SPECTER→グランギニョルと観て、やっと辿り着いたLILIUM。

観ました。すごかった。絶望した。やっぱり1回観ると女の子の解像度が上がるというか、2周目は顔がはっきり見分けついたし可愛さも分かった(若い子の顔の見分けがつかなくなってきたババア)。かわいい・・・かわいいがゆえにつらい・・・

※以下LILIUMのネタバレを含みます。他のシリーズの話もしますのでご了承ください。

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ソフィ

リリウムはTRUMPシリーズにのめり込み始めてから最後に観た作品というのもあり、そこそこに知識があった。それはネタバレというより、TRUMP界隈で生きていたら多少の情報が入ってくるのは仕方ないし別に事故だとも思っていないんだけど、とにかく「すごく絶望する」「ファルスがやばい奴」という情報をもって挑んだ。

ファルスはやばい奴というか、ソフィだった・・・。今までもこれからも何回も言うけど、目の前の舞台に集中するがあまり、話中の少しの違和感や「もしかして」という予想を考察する余裕がないので、末満さんに事実を突き付けられるまで、真実に気付かない。そして、気付いた後に「あれも、これも、ここに繋がっている!」と記憶が頭の中を駆け巡る。ときにシリーズをまたいで思考を巡らすこともある。この、欠けたパズルのピースがはまっていく感覚というか、むしろ「このパズルは完成したと思っていたのに、まだ続きのピースがあったんだ・・・」という感覚がとても好き。

多少のネタバレがあったとはいえ、はっきりとした前情報は入れておらず時間軸も知らなかったので「ファルスがソフィ!???」と混乱した。ファルスという名前から推測することもできるし、あとから考えると、どんでん返し系の話としては常套手段のように感じるんだけど、視聴中は全然思いつかないんだよねえ・・・。おまえ、あんなに憎んでいるクラウスと同じことしてるやんけ・・・。寂しさというのは人を狂わせるんだなと痛感する。

リリウムを観た率直な感想は「ソフィは変わってしまった」だった。いや、一人で何千年も生きていたら、寂しさのあまり変わってしまうのも分かる。でも、ファルス(特に=ソフィだと判明した後)を見ていると、高潔なラファエロに似ていると言われたあのソフィはもういない。つらい。

ファルスがソフィ・アンダーソンだと分かったとき、わたしの中のソフィはまひろくんだから、どうしてもまひろくんがちらついてしまった。なんならどぅーがまひろくんに見えてくる。←

でも「おれの中でのソフィ」は人によって違うだろうから面白い。わたしはTRUMPシリーズで初めて観たのがNU版TRUMP(TRUTH)だったから・・・あの可愛い顔のソフィが、こんな残酷な話の発端になるなんて。

それにしても当時のどぅーは14歳。今までのソフィの中で、一番ソフィの年代に近いんだろうなと思う。繭期ってつまり人間でいったら中高生だよね?このファルスのショタ感が、ソフィの絶望をより助長させる。3000年もこんなショタのままで生きてきたのかよ・・・!

ソフィって、14歳から身体の成長が止まっているということでよいの?TRUMPの冒頭でガキと呼ばれていたり、繭期の少女たちとも馴染んでいるから、勝手に「身体はそのまま」だと思ってる。ソースはどこかにあるのでしょうか。14歳の子どもの見た目のまま何千年も生きるの、より一層つらくない?ずっと子どもなんだよ?

ソフィがキャメリアを「御館様って・・・化け物だったりしてな!」と脅かすシーン。2周目で気付いたけど、これは10年前にシルベチカを逃がそうとしたキャメリアが「この化け物め!」とファルスに言ったことを言い返してるんだ。1周目のときはそんなセリフなんて思わなかった・・・こういう伏線みたいなのがめっちゃあるから末満さん好き・・・。それにしてもファルスは根に持ってるのか・・・こわ・・・・・・

ウルという名前

ソフィが不老の薬?を「ウル」と名付けたことを知ったとき、2018年のわたしは「エッモ!!!!!エモい!!!!!」と叫んだ。

これが2015年に観劇した諸先輩方は何と形容したのか気になる。萌える?尊い?適切な言葉が思いつかないけど(別にエモいが適切というわけでもないが)、この事実を知った瞬間は、語彙力が四散してただただ尊さを感じることしかできなかった。

ああ、ソフィは、ウルに想いを寄せていたのね。TRUMPのときはあくまでも「親友」にしか見ていないと思っていたけど、この薬に「ウル」の名前を付けたということは、少なくとも800年は「ウル」と共に生きてきたし、毎日毎日「ウル」という言葉を連想し、一日も忘れることなく生きてきたのか。

ウルの願いでありソフィも叶えられなかった、ウルの不死という願いを、長い年月を経てソフィが叶えようと試行錯誤している。まあ今となっては「自分とともに永遠の命を生きる誰かが欲しい」という身勝手な理由だけど。

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楽曲

音楽がとても良かった。ミュージカル調というのは知っていて、でもそこまで興味を持っていなかった。ハロプロなめてた。ごめん。

リリウムが始まったときは顔を覚えることに必死になっていたが、最初の曲「シルベチカなんて知らない!」が始まったら一気に引き込まれたし、この曲が一番印象的だったからか曲調が好きだからか、一番覚えているしなんなら口ずさんでしまう。リリウムは過去にもサウンドトラックが発売されていたり、2018年10月発売(現在予約受付中)の音楽集もある。

もしこれを入手すれば、この繭期の音楽を聴き続ける限り、わたしの繭期は永遠に終わらないのではないかと思った。リリウムの少女たちは「ウル」によって永遠の繭期を生きていたが、わたしはこの音楽によって永遠の繭期を生きることができる。わたしたちにとっての「ウル」は「音楽」なのだ。

永遠の繭期

リリウムを観る前と観た後の「永遠の繭期」の言葉の破壊力の違いね。わたしはリリウムより先にグランギニョルを観てしまったので「永遠の繭期=おクスリによって作る」みたいな意識が芽生えてしまっていたけど、まさか、それが少女たちの合意なしに行われていたとは。

しかもキキたちとは違って、サナトリウムの少女たちは年月が経ち(長く生き)すぎているから、おクスリをやめたら即、死に直結する。キキは永遠の繭期を抜けて(抜けたんだよね?)普通の女の子として生きる可能性があったけど、この少女たちは違う。

毎日おクスリを飲んでいると聞いて、なんとなーく絶望の方向性を感じた。グランギニョルの影響もあるけど、何かを進行させないようにするんだろうな、と。というかこの時点で不老の薬なんだろうなとは思った。こんなに残酷な話になるとは想像できなかったけど。少なくとも「繭期の症状を和らげる」わけないよなあと思った。

ファルスの「これで元通りだ」(=記憶の操作)で終わりだと思っていたけどそんなわけはなかった。というかそんなわけないと思ってるけど、目の前の舞台を追うのが精一杯で、先を読むことができない。

で、リリーのイニシアチブで少女たちが集団自決をして、終わり。かと思ったらもっと更に残酷な絶望が待っていた。も〜〜・・・末満さんの血は何色なの・・・

リリーはファルスと同化して不老不死になっていた。ほんと、これに気付いたときの絶望たるや。この絶望の気付かせ方が好き。「終わった・・・?」と一息(はつけていない。1/4息くらい)ついたところに「まだつづきがあるやで!」と畳み掛けてくる。ひどい。

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理解者とは

竜胆と紫蘭に関してファルスは「僕の考えを理解して協力してくれている」と言っていたけど、最終的にはファルスのイニシアチブによって記憶が操作(リセット)され「夢」に戻るシーンがある。

竜胆と紫蘭も・・・え・・・理解とは何だったのか・・・?結局、協力とはいっても、イニシアチブの支配下である限りは、理解とか、意志とか、そんなものは存在しない。竜胆と紫蘭はさも「ファルスのことを理解した上で協力している」風だったが、結局はどこまでが本人の意志や記憶で、どこから操作が入っているのか分からない。だからこそ、ファルスはリリーのような存在を求めていたのかと思う。自分のイニシアチブの影響を受けない存在。ここまで到達しないと、本当の理解者にはなり得ない。しかしリリーは「ファルスの求める理解者」のスタートラインに立ったものの、理解者となることを拒否し、それによってサナトリウムは崩壊する。なんかもうここの因果が・・・ファルスが求めていた「理解者」を生んだはずが、その存在によって全てが壊される・・・

「醒めないほうがいい夢もある。たとえそれがどんな悪夢でも」

・・・の意味が、聞いたシーン当時ではよく理解できていなかった。でも公演後は、はあ、なるほどね、うん、そうだよ・・・本当にそうだよ・・・

何だろう・・・結果的に不老不死になってしまったリリーにとって、悪夢から醒めずに永遠の繭期を生きていた方が幸せだったのかな・・・友と共に退屈な毎日を生き続けていた方が良かったのだろうか。でも無理なのかなあ。

そもそもこの話の絶望への発端は(ファルスがサナトリウムを作らなければよかったのに、は置いておいて)「リリーがシルベチカの記憶を保持していた=ファルスのイニシアチブの影響を受けなくなった=不老不死に近付いている(実際はなっていた)」ことなので、不老不死までになるリリーの末路においては不可避の出来事であり、いつかは訪れる事象であり、この事象が起きた時点でこの話の結末も回避できないだろうから・・・悪夢から醒めないことなんてできないと決まっていたのだろうか、それともリリーが、スノウのように、ファルスの理解者になることを承諾していれば、永遠の繭期を友と過ごせていたのだろうか。

観終わってから気になりだしたんだけど、もしリリーが不老不死になったということにファルスが気付けたらどうしていたんだろうか。サナトリウムでの「お友達ごっこ」は捨てて、リリーと共に永遠を生きることにするのだろうか。それとも、更なる理解者を求めて、リリーも含めて、サナトリウムで永遠の繭期を過ごし理解者(自分以外の不老不死)を量産するつもりだったのだろうか。

まあ不死であることの確認は難しいからこそ、ファルスはおクスリ投与をやめることができず、いつまで経っても「永遠に枯れない花=自分が求める理解者」がいるのかいないのか確認できなかったわけだけど。そう考えると、結構な欠陥があったんだな、このサナトリウムの計画は。やめ時も、諦め時も、成功の確認方法もなく、自身の寿命も永遠であることが災いして、終わりのない実験を続けるしかなくなっていた。

この絶望を回避するためにはどうすればよかったのか・・・リリーがシルベチカのことを覚えていなければよかったのに、シルベチカがどこに行ったのか探さなければよかったのに、と思うけど、不老不死に近付いている限りは、記憶を保持できるようになるのは時間の問題だったし、親友だったシルベチカのことを放っておくことなんてできなかっただろう。強いて言えば、シルベチカが死んだ(=忘れるように記憶の操作が行われた)タイミングで、リリーが記憶を保持できるようになってしまったというのが、偶然なのか必然なのか分からないけど、ここが運命の分かれ道だったのかなあなんて思う。目には見えない運命というのがあるのかもしれない。いつかはサナトリウムという「悪夢」は崩壊する運命だったのかもしれない。どちらが幸せかなんて分からないし、考えたところで回避はできないのかもしれない。

「思い出はいつかは消える幻」「どうせ失うのなら、最初から手にしない方がいい」とスノウが言っていた。この時点ではスノウは記憶を保持できるようになっていたけど、つまりは「それ以前は記憶が操作されていた」ことを知っているわけで。自分の記憶は本当なのか、作られた記憶なのか、大切なことを忘れているのか、定かではない。いつかは消える、って、最初は忘れるとか、死ぬとかそういう意味だと思っていたけど、ある意味でそれよりも残酷な、「消される」ってことだったんだな。楽しかった思い出も、自分の意志とは関係なく消される。つらたん。(ここで語彙力が消滅する)

「どうせ失うのなら最初から手に入れなくていい」という考えは、スノウの記憶・思い出というよりは、リリーを含めた友達の記憶のことなのかなと思った。スノウはこの50年ほどは記憶を保持できるようになっているから、記憶の蓄積もあるし、どうやら過去800年間の記憶も少しずつ取り戻しているような描写もある1)「800年前は、私たち、親友だったのよ」という発言から。だから自分は覚えているけど、友達の記憶からはいつかは消えて(消されて)しまう。そんな辛いことになるなら最初から思い出など作らなくていい、ということなのかなと捉えている。

スノウとリリーは800年前は親友だったというけれど、たぶん数百年間は親友だったんじゃないかな。でも自分たちの記憶が操作されることを知って、どんなに仲良くなっても、リセットの機会が訪れればリリーは自分との記憶を失う。自分は覚えているのに・・・。

現代のファルスとクラウス

今なら分かる。今年の4月に「どぅーとたけこが出会った」というブログ記事を読んだ繭期の民がざわざわしていたのが。分 か る。

当時のわたしはTRUMPすら知らなかったので「シリーズの共演者?ふーん」としか思っていなかった。にしてもこの記事のタイトル「ファルスとソフィ、アレンとクラウス」って相当なネタバレだったな!?まあDVD化もしている作品においてはネタバレもへったくれもないけどね。見られるのに見てない方がわるいんだから(個人の意見です)。

わたしはこの記事を読んだけど、名前がカタカナで頭に入ってこなくて覚えていなかったのでネタバレにならずに済んだ。カタカナが苦手でよかった!←

今日、仮面ライダービルドに出演している
武田航平さんにお会いしました!

挨拶しようとしたら突然
「ファルス!」って。

びっくりしすぎて、反射的に、
「ファルスです!!」としか言えず….

「ハルカメラ」より引用

記事:https://ameblo.jp/kudo–haruka/entry-12368332882.html

まとめ

ハロプロファンの人なんかはリリウムが最初って人も多いと思うけど、TRUMPは先に観ておくと、より絶望感が強まるなあと思う。TRUMPを観ていなかったら「ファルスがソフィ・アンダーソン?不死なんだ、黒幕だったの?ふーん」にとどまる。

この話の本当の絶望は、TRUMPでの悲劇が繰り返されているという点なの。よりによってソフィの手で。望まない不死を与えられたソフィが、望まない不死を与えてしまう。そしてリリーも、不死になった途端に、あんなに憎んだファルスと同じ「誰かと永遠の命を生きたい」願望を持ってしまう。

わたしもやっぱり公開順で観ればよかった〜。リリウムで語られた永遠に枯れない花を願う庭師の話のモチーフはソフィの父親!ってSPECTERで気付きたかった。クラナッハの最期の願いの「永遠に枯れない花を、あの百合のように美しい花を、いつか咲かせてくれ」のシーンでゾゾゾッとしたかった。萬里の口から「リリー」の名が出たときに心をザワザワさせたかったし、萬里の本名がソフィだと判明したときにもっとザワザワさせたかった。結果的にはソフィもリリーも同じ名前なだけでソフィ・アンダーソンらとは別人なんだけど、その数奇な運命に想いを馳せたかった。

ほんと、末満さんって罪深い。好きです←

脚注   [ + ]

1. 「800年前は、私たち、親友だったのよ」という発言から

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