第49(最終)話「ビルドが創る明日」【仮面ライダービルド】
ついに最終回を迎えてしまったビルド。わたし的にはめっちゃ良い最終回だったと思うけどみんなはどうなんだろう。1年間楽しかったです。ありがとう。
新世界
そこでは戦兎は可愛いうさぎちゃんになっていて・・・ではなく、スカイウォールのない世界だった。忍パパの求めた新世界は、スカイウォールが在る世界と無い世界を融合させてCの世界を創るというよりは「スカイウォールが存在しなければ実現したであろう現在」という意味での世界だった。
戦兎はこの世界を創ることに成功した。でもスカイウォールが無いということは、戦兎は存在してはいけない(するはずのない)人間であり、仲間も戦兎のことを知らないということ。
孤独を感じる戦兎を呼ぶ人物がいた。それは元のままの万丈。エボルトの遺伝子を持つ万丈もなまた存在してはいけない人間であり・・・相棒と再会した。
戦兎と万丈の結末は「誰も俺たちのことを覚えていないエンド」で、今までの思い出を誰も覚えていないという、一見すると絶望エンドだけど、ふたりぼっちならバッドエンドではないと感じた。
そもそもわたしは仮面ライダーにおいて「完全なるハッピーエンド」は求めていない。戦隊ものは逆に「完全なるハッピーエンド」しか求めないけど、仮面ライダーはそういうスタンスではないと思っているから。だから完全なるハッピーエンド、ビルドで言うなら「スカイウォールのない世界で、みんな生きていて、でもビルド関係者だけは記憶を保持していて、仲間はずっと仲間のまま」のような最終回は、欲しいとは思いつつ有り得ないというのを理解している。
そういう中でふたりぼっちエンドというのは、バッドエンドではない、むしろ考え方によってはハッピー寄りのエンドというか、ビルドなりの最適解エンドというか。絶望ではないという解釈は、みんなの記憶はなくても、生きていれば会えるし友達にもなれる。ビルドの話の記憶がないなら、これから出会えばいい。そんな希望を感じるからだと思う。
あつひろくんが最終回後のキャストブログで「バッドハッピーエンドみたいな感じ」と形容していたけど、まさに、パーフェクトハッピー!大団円!というわけではないけれども希望も残る、失ったものもあるけれど得たもの・守れたものの方が大きいというような結末だった。わたしはすごい好き。
だってこれから戦兎は今までの物語を書くんでしょ?ナシタは帰る家でなくなってしまったけれど、喫茶店なんだから万丈と2人で通って常連になればいい。そうすれば、同じくナシタの常連になるであろうカシラと三羽ガラスにも会えるだろうし、よく分からんけど生きていれば幻徳も紗羽さんも黒髪万丈にも会えるよ←
みんなの中で戦兎やビルドの記憶がなくなってしまうのは悲しいけど、でも、恋人と死別したり、親が地球外生命体に乗っ取られていたり、それに気付かず生活していたり、仲間が命を落としたり、自分の罪に対して自責の念に駆られたり・・・こんな辛い記憶は消えてしまった方がいいのではとも思う。大切な仲間との記憶も失うことになるけど、本当の意味での平穏な日々というのは、これらの辛い記憶が存在しないからこそ送れるのだから。
美空は信頼する父親と暮らしていくべきだし、幻徳は罪の意識に苛まれなくていい。紗羽さんは難波チルドレンなんかではなく普通の女性として生きてほしい。カシラは大切な仲間とともに大切な野菜を育ててほしい。
最終話、新世界では出てこなかったけれど、葛城巧はどうなったんだろう。ビルドが存在しなければ争いも起きなかった。葛城巧はそんな後悔を抱いていたけれど、スカイウォールの無い世界で仮面ライダービルドを創る理由がない葛城巧は、その罪悪感に苛まれることなく純粋に研究をしているのかなと思うと胸アツ。
というか忍パパも生きてるのかな。葛城巧と忍パパは後日談に出てきていないけど、どこかで生きていて、研究所で親子で研究者してるんだろうな。東映公式でもそれっぽいことを言っていたし。より良い未来のために、その天才的頭脳を役立ててください。
鷲尾兄弟はどこかで生きているのだろうか。内海と同じく難波機械製作所で働いていたとしたらとてつもなくエモい。これは本当にわたしの妄想なんだけど、パンドラの光の影響がなければ新世界の難波会長も心が綺麗なおじいちゃんの可能性があるわけで。内海と鷲尾兄弟はおそらく養護施設育ち、というのは同じだと思うから、高校卒業まで施設で育って、卒業後の就職先のひとつとして難波機械製作所があったらいいなって。難波会長は難波チルドレンを作る理由がなくても養護施設と深いかかわりがあればいいなあという妄想。
まさかのツナ義ーズ、ブレイク
戦兎がこの世界で生きてたら、佐藤太郎のそっくりさんになってしまうし万丈はプロボクサー万丈のそっくりさんになってしまうなあ。というか佐藤太郎はあのまま生きてたらツナ義ーズでブレイクできていたのか・・・
マスターは佐藤太郎のファンらしい。「夜は焼肉っしょ!」は彼らの決め台詞なのか、有名な台詞として定着しているらしい。まじか、佐藤太郎、夜は焼肉が食べられるくらいに売れてよかったね・・・そもそも生きていてよかった←
カシラと三羽ガラス
カシラは三羽ガラスに連れられてナシタに来店。3人曰く「カシラが好きそうな女の子がいる」とのこと。気乗りしないカシラだったが、美空を一目見た途端に「ギャンワイイイイイイ!!」と失神し・・・
三羽ガラスが生きてて泣いちゃう。というか三羽ガラスじゃないんだよね、この3人は。そんな名前を名乗る必要はないわけで、この世界では勝・聖吉・修也として仲良く猿渡ファームで働いているんだろう。その猿渡ファームも、土が弱ることもなく、カシラが借金をする必要もなく、従業員にお金を持ち逃げされることもなく、真剣に野菜と向き合って、大地主としての責務を全うしているんだろう・・・
お互い本名で呼び合って、カシラは俺たちがいないと何もできないんだから~って茶化されながら生活しているのかしら。もうそれだけで、お腹いっぱい胸いっぱい。ありがとう。
そのカシラはわたしが知ってるカシラではない。わたしが今まで見つめ続けてきた、自分を犠牲にしてまでも仲間を必死に守り、ときには苦しみ、ときには悲しみ、ときにはドルオタをやっていたあのカシラはもういない。それは悲しいけれど、それでもいいと思っている。だってどう考えても、カシラの一番の幸せは、大切な仲間に囲まれて充実した暮らしをすることだから。ナシタ組は紛れもなくカシラの大切な仲間だけど、それ以前にだって命を賭けて守りたいと思う、猿渡ファームの仲間がいた。彼らとともに人生を過ごすことが、カシラにとって一番の願いであり幸せなのではないかと思う。
美空はネットアイドルになる必要がないから、カシラもドルオタにならなかったんだな。これからは4人で足繁くナシタに通ってほしい。東都とか北都とかそういう区分もないんだろうし。
そういえばカシラの両親が亡くなっているの、スカイウォールは関係あるんだっけ?もしかしたらご存命という可能性もあるのかな。いやごめん、たぶんないか。
4人大好き!仲良く暮らしてください
黒髪万丈
新世界で生きてきた黒髪の万丈、発言が相変わらず馬鹿っぽくて安心した。語彙力。超腹減ってるならアイスで腹を満たそうとするな!
エボルトの遺伝子がない万丈は黒髪で、おれたちの万丈は茶髪って、なんで色分けしてるの?識別のしやすさ?って思ったけど、もしかしてエボルトの遺伝子があると色素が薄くなるとかあるのかも。戦兎は髪が真っ白になってたし。
新世界でのメンバーは・・・
新世界ではそれぞれの人生を歩んでいた。ちょっとまとめ。
●万丈:黒髪。香澄さんとお付き合いしているようす。たぶんボクサーとして活躍している。相変わらず馬鹿っぽくてよかった。香澄さんとお幸せに。八百長はするなよ。
●美空:惣一とともにnascitaで働く。きっと看板娘。あまり気怠い印象がないハキハキした感じだった。空白の7年間なんてなくて、普通に女子高生とかやって、高校を卒業してパパの喫茶店で働き始めたのかなあ。それでいいんだよ・・・
●惣一:マスターとしてnascitaを真っ当に経営。自慢のコーヒーは美味しいらしく、本当のマスターが淹れるコーヒーはちゃんと美味しいということが判明。豆から栽培して・・・って、元の世界で「本当はコーヒー豆の栽培をしていた(嘘)」ってのは嘘じゃないんだ!!!
●カシラ:たぶん猿渡ファームで農家を経営している。たぶん裕福。美空とは出会っていなかったが、勝らのはたらきによってナシタで無事に出会い、無事に一目惚れ。これから「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」を叶えられるように頑張ってください。
もしみーたんが大地主で農家のカシラと結婚することがあったら、猿渡ファームの上質な野菜を使った料理がナシタで提供されるという未来もある・・・
●幻徳:氷室泰山首相の秘書として活躍する。美人ジャーナリストと「夕方まで執務室で話しましょうか」という健全っぷりを示す(?)。「朝までホテルで語り明かそうか」は、パンドラの光が起こした悲劇なのか、幻徳の元々の願望なのかは謎のまま
それにしても、パンドラの光の影響を受けずに真っ当に成長した幻徳は、父である首相の秘書になるなんて、やっぱり政治家になれたじゃないか。カシラが言ってたように、立派な政治家になるよ・・・
●紗羽さん:中央政経ジャーナルの記者。取材という形で幻徳と出会う。よく分からんけどこの世界でも紗羽さんはジャーナリストで、でも難波は関係なくて、フリーランスでなく所属先があるということかしら。
●内海:難波機械製作所で働く。新世界では難波重工が台頭することもなく難波チルドレンも存在しないはずなのに内海が難波会長の元で働くというのは、やはり強い結び付きを感じる。サイボーグではないのでラックの脚は折れないよ!
難波重工は軍事開発事業で成長したのであって、スカイウォールがないのなら中小企業だということなのか
あらすじ紹介、まさかの伏線回収
最後のシーンで、ビルドの物語を「49のエピソードにする」といって音声記録し始めた戦兎。この内容は第2話のあらすじだった。こんなところで原点回帰・・・!?まさか、毎週のあらすじ紹介は、これから戦兎が万丈とともに紡ぐの・・・?
毎週、あらすじ紹介が基本的に本編と関係ないほどのテンション高めでやってたのは、全てが終わった後の、最終的には丸くおさまる(みんな生きてる)と知っている上でのあらすじ紹介だったから・・・だから時たまとんでもないメタ発言とかしてたの?この演出のためだったの?最初から決まってたの???天才なの????
そうなると、あのあらすじ紹介が急にエモの塊に思えてくるし、あらためて観返したくなる。すごい、2周目させられちゃう・・・
あらすじ紹介って、最初は戦兎と万丈だけだけど、だんだん登場人物が増えるんだよね。そのあたりをどう捉えるかは人によるし、それぞれがその人の答えだから全部正解でいいと思うんだけど、わたしの中では「みんなの記憶は戻らない。でもみんなならこういうこと言いそう、みたいな物真似説」なの。
ズボンのチャックが全開だったり、最終回で原点に戻る系の演出、大好きよ!!
相棒とともに生きる
最終回前は、もしスカイウォールのない世界ができたら(話の流れ的にそれは確定なんだけど)、万丈は香澄さんと生きるのか、戦兎とずっと相棒なのかを考えていて、記憶とかの関係で香澄さんと一緒になるのかな、そうしたら戦兎が孤独になってしまうと思っていたけど、まさかの万丈が2人存在することになったので「香澄さんと一緒の万丈」と「戦兎と一緒の万丈」が存在できることになってしまった。なんというぶっとび救済措置。でも嬉しい。
万丈には本来なら香澄さんがいるんだけど、香澄さんは黒髪万丈とお付き合いしているから、茶髪万丈は香澄さんと一緒にいられないの、万丈的には悲しくないのかな?「香澄が生きていればそれでいい」のかな。
まあわたしとしては、苦楽をともにしてきたベストマッチな相棒と生きる、というこの上ないエモエンドなんですけど。「俺たちのことを覚えているのは俺たちしかいない」ってとんでもなくエモくないですか?戦兎を肯定するのは万丈しかいないし、万丈を肯定するのもまた戦兎しかいないんですよ?
戦兎は当初と同じ「孤独のヒーロー」になってしまったけど、万丈がいてくれるなら大丈夫だよ・・・ベストマッチな奴らは文字通り相棒だった。めでたしめでたし。
まとめ
最後のシーン、丘から見える景色は、まさに「ビルドが創る明日」であり、みんなの明日をこの2人が創ったと感じた。
スカイウォールの無い世界で「都市伝説・仮面ライダービルド」の話を今まで見ていたわたしたちは、この物語の一部であり聴衆であり、わたしたちが生きるこの世界と違う世界線では、ビルドは実際に存在していて、そこには桐生戦兎という人物がいたのかもしれない。もしかしたらわたしはそっちの世界では、ブラックホールに飲み込まれて消えたかもしれない・・・
戦兎と万丈がビルドの記憶を忘れない限りは仲間の絆は消えない。それでいいじゃない。

この1年間、本当に楽しませてもらいました。個人的な話としては、12年ほど特撮を追いかけていて、途中でライフスタイルの変化という理由で離れた時期もあったけど、ゴーストから視聴再開して、でも現場復帰した(というか無理をしてでも現場に行きたいと思った)のはビルドからで。それは推しが仮面ライダーになったからというのも大きいけど、そうでなくても本当に毎週の放送が楽しみだった。
ビルドがきっかけで本格的に趣味としての特撮を再開できたし、たくさん交流もあったし、思い出もできた。本当に感謝です。わたしは特撮オタだからビルドが終わっても次のジオウを観るけど、それは「ハイ次にいこう!」というわけでは決してなくて、ビルドはわたしにとって特別な作品。現行とは別で、ずっと好きな作品。
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